「コーヒーには色々な種類があるけど、どんな違いがあるのだろう」
「自分が好きなコーヒーの味を見つけたい」
と思っている人もいるのではないでしょうか。
この記事ではコーヒーの産地別の特徴や味について紹介します。
コーヒーは世界のあらゆる場所で生産されている
コーヒーは世界中でもっとも多く飲まれている飲料の1つです。私たちの日常生活に欠かせない馴染みのある飲み物ですが、コーヒーの原料となるコーヒー豆はどこで作られているか知っていますか?
コーヒー豆は主にコーヒーベルトと呼ばれる一帯に存在する約70ヶ国で栽培され、世界中に輸出されます。コーヒー豆は生産国によって、味も特徴もさまざまです。普段何気なく飲んでいるコーヒーがどこの国で作られたのかを知ることで、コーヒーによる個性をより一層楽しむことができるでしょう。
コーヒーベルトについて
コーヒーベルトとは地球の赤道を中心に北緯25度、南緯25度の間に広がる熱帯地域のことです。コーヒー豆の栽培に適している一帯で、まるで地球がベルトを巻いているように見えることからコーヒーベルトと呼ばれています。
コーヒーベルトのエリアでは気温、降雨量、土壌、標高などコーヒーの栽培に最適の条件がそろっており、コーヒーの産地として有名な国のほとんどがこのコーヒーベルトに存在します。コーヒー栽培に適した条件は以下の5つがポイントです。
コーヒー栽培に適した条件
気温 |
生育適温は15〜25℃。年間平均気温が20℃前後。気温が高すぎても低すぎても育たない。特に寒さには弱い。 |
降雨量 |
年間降雨量1500〜2500mm。雨季と乾季のメリハリがあることが重要 |
土壌 |
水はけがよい土壌。火山灰質の土壌が適している。 |
日照 |
適した日当たりが必要。直射日光に弱いためコーヒーの木の横にシェードツリーを植えて日が当たりすぎるのを防ぐ。 |
標高 |
標高が高いほど1日の寒暖差が大きく、コーヒー豆がおいしく育つ。 |
アメリカ・カリブ海のコーヒー豆
アメリカ大陸周辺にはどのようなコーヒーがあるのでしょうか。アメリカ・カリブ海のコーヒー産地を紹介します。
ハワイ
ハワイといえばコナ地区で栽培された「コナコーヒー」が有名です。実はアメリカでコーヒーを作っているのはハワイだけ。コナコーヒーは生産量の少なさから希少性が高く、また品質の高いコーヒーのみがコナコーヒーと認定されるので高級コーヒーとされています。コナコーヒーはやわらかな酸味、なめらかな口当たり、果実味のフルーティな甘い香りが特徴です。世界三大コーヒーの1つでもあります。
ジャマイカ
ジャマイカで有名なコーヒーといえば「ブルーマウンテン」です。ブルーマウンテンはジャマイカで1番高い山脈の名前であり、昼夜の激しい寒暖差がコーヒー豆をおいしく育てます。ブルーマウンテンは甘く優雅な香り、苦味と酸味とコクのバランスが絶妙によいのが特徴です。「コーヒーの王様」とも呼ばれ、世界三大コーヒーの1つでもあります。
グアテマラ
グアテマラ共和国で有名な「グアテマラ(ガテマラ)」はフルーティな酸味、花のような香り、後味に甘さが残る上品で飲みやすい特徴があります。中米のコーヒーの中で日本に最も多く輸出している国です。グアテマラ産コーヒー豆は、生産地の高度によって7つのランクに分類され、標高が高いほどコーヒー豆はゆっくりと育ち、実が固くしまり美味しいコーヒーが出来上がります。
メキシコ
メキシココーヒーは酸味と甘みのバランスがちょうどよく、コクがありながらさっぱりした後味です。苦味も少ないのでストレートの飲み方が向いています。メキシココーヒーの中でも「メルセデス」が特に人気が高いです。生豆の粒がそろっていて、欠点豆も非常に少なく、芳醇な香りがあるので「コーヒーの女王」と呼ばれています。
コロンビア
コロンビアは世界第4位のコーヒー生産量を誇り、コーヒー大国として有名です。雨季と乾季が地域によってさまざまなので1年間を通してコーヒーを収穫できます。
コロンビアコーヒーは優しい酸味と豊かなコクのバランスがよく、自然な甘みもあって癖がないのが特徴です。苦味も少ないので深煎りに向いています。日本人好みの味で、いわゆる「コーヒーの基本の味」となっています。
コスタリカ
コスタリカコーヒーは豊かな酸味と控えめな苦味、濃厚な甘みと深いコクで軽い飲み口が特徴です。コスタリカは国のほとんどが高地なのでコーヒー栽培に適した環境です。コスタリカで作られるコーヒーの半分以上が質の高いスペシャリティコーヒーと認定されています。
中東・アフリカのコーヒー豆
アフリカ大陸周辺にはどのようなコーヒーがあるのでしょうか。中東・アフリカのコーヒー産地を紹介します。
エチオピア
エチオピアはコーヒー発祥の地です。エチオピアコーヒーと言えば「モカ」が有名。フルーティな香りと上品な酸味が特徴です。甘みと酸味のバランスがよく、ストレートの飲み方がおすすめです。「コーヒーの貴婦人」と呼ばれるほど上品な酸味が持ち味です。
ケニア
ケニアコーヒーは柑橘やベリーの果物のようなさわやかな酸味が特徴的です。焙煎度によって味の変化も楽しめます。浅煎りすると酸味が強く引き立ち、深煎りすると酸味は抑えられコクが出ます。ケニアコーヒーは日本にはあまり流通していませんが、世界的には人気も知名度も高く、注目されています。
タンザニア
タンザニアのコーヒーといえば「キリマンジャロ」が有名です。キリマンジャロは強い酸味と深いコク、そして甘い香りが特徴的です。浅煎りすることで上品な酸味、深煎りすることで重厚なコクを味わうことができます。世界三大コーヒーの1つでもあり、その酸味とコクから「野生味あふれる味わい」と表現されています。
アジアのコーヒー
アジアのコーヒー文化はヨーロッパから伝わり、各国で独自のコーヒー文化が生まれ発展していきました。アジアのコーヒーを紹介します。
ベトナム
ベトナムは世界第2位のコーヒーの生産量を誇ります。ベトナムは他のコーヒー名産地とは違った環境であり、標高は決して高くありません。標高が低くても気温が高い土地でも育つ病気に強い「ロブスタ種」というコーヒー豆を育てています。
ベトナムコーヒーは苦味が強くそのままストレートで飲むには向いていないので、インスタントコーヒーや缶コーヒーの原料になることが多いです。またベトナムでは独自のフィルターを使って抽出し、コンデンスミルクを加えて飲むスタイルが主流です。
インドネシア
インドネシアのコーヒーといえば「マンデリン」が有名です。インドネシアのコーヒー生産量はベトナムに次ぐ世界第3位。そのうちの90%はロブスタ種であり、マンデリンは生産量が少ないアラビカ種に分類されます。マンデリンの生産量はインドネシア全体の5%ほどと希少性が高く、高級ブランドとして人気が高いです。
マンデリンは酸味が少なく、個性的な苦味が特徴的です。シナモンやハーブのような風味があり、深煎りしても独特な味わいを楽しめるコーヒーとして日本人にも人気があります。
インド
インドはチャイやラッシーなどお茶のイメージが強いですが、コーヒー生産も盛んです。世界でも8位の生産量を誇ります。インドコーヒーはスパイシーで芳醇な香りが特徴的で、やわらかな甘みと酸味もあり、ミルクや砂糖を入れてもコーヒー本来の香りや味を失いません。そのためブラック、カフェオレ、エスプレッソなど色々な飲み方で楽しむことができます。
シナモンやナツメグなどスパイスを加えて飲むマサラコーヒー。2つのカップを使い交互に移し替えることで表面を泡立たせるインディアンコーヒーなど、インドの伝統的な飲み方でも楽しむことができます。
オーストラリア
オーストラリアはエスプレッソの発祥の地。かつてイタリア移民から伝えられたコーヒー文化がオーストラリア独自の文化として発展しました。2000年に開催されたシドニーオリンピックをきっかけに、オーストラリアでコーヒー文化が一気に加速。今ではオーストラリアのメルボルンがコーヒーの街として有名です。
ショートブラック(エスプレッソ)、ロングブラック(エスプレッソ+お湯)、フラットホワイト(エスプレッソ+ミルク)などエスプレッソを中心にオーストラリア独自のコーヒーの種類や呼び方があるのが特徴です。
日本
日本はコーヒー消費量が世界4位というほどコーヒーを楽しむ文化が広まっています。日本にコーヒーが伝わったのは江戸時代の鎖国中、その後開国されてコーヒー文化が広まっていきました。世界で初めて缶コーヒーを作ったほど、コーヒーは日本人に愛され、私たちの生活に馴染んでいます。日本で消費されるコーヒーのほとんどが海外からの輸入ですが、実は日本でもコーヒーを栽培している地域があります。小笠原諸島や沖縄、沖永良部島でコーヒー豆を栽培しており、国内生産ゆえの生豆の鮮度の高さを味わうことができます。
カフェレートで使われているコーヒー豆
大切に育てられたコーヒー豆を余すことなく味わってほしい。その思いからカフェレートが誕生しました。
カフェレートのコーヒー豆の選定理由
カフェレートはコーヒー豆のおいしさをまるごと味わうことができるように、世界中のコーヒー豆から厳選した豆を使用しています。通常”飲む”コーヒーではコーヒー豆の70%がフィルターに残ってしまいますが、カフェレートはコーヒー豆を微粉砕し、植物性の油脂に練り込んでいます。コーヒーが持つ個性を100%味わうことができる商品です。コーヒー豆の魅力を最大限に引き出せるように焙煎方法にも工夫しています。カフェレートのために厳選した2種類の豆を紹介します。
ローステッド:ニカラグア サンタアナ農園SHG
ニカラグアサンタアナ農園で栽培されたコーヒー豆を使用しています。100%手摘みで丁寧に収穫された完熟度の高いコーヒー豆は、ほろ苦く繊細なアロマが魅力的。深煎り焙煎と中煎り焙煎をバランスよく混ぜ合わせることで上質な苦味とともに複雑な甘みも引き出しています。
ニカラグア北部に位置するヒノテガ地区のサンタアナ農園は、90年以上の歴史を持つ伝統的な農園です。収穫はすべて手摘みで丁寧に育てられたコーヒー豆は熟度にもこだわり、精選工程の中でも完熟割合を高めるべく取り組みをしています。自然豊かな農園で丁寧に育てたコーヒー豆は優しくしっとり華やかな、繊細なコーヒーの味わいを実現することが可能です。
農園には小川が流れ、多くの生き物が生息するなど自然豊かな環境を有しています。レインフォレスト・アライアンスやUTZなど、サステナビリティ認証も取得しており、環境や労働に配慮してコーヒー生産を行っています。未来のことを考えた持続可能な方法で、自然環境や人々の生活をより良い状態に保つことを目指して生産された素晴らしいコーヒー豆という証です。
フルーティ:エチオピア イルガチャフィG1
エチオピアの標高2,000m程の高地にあるイルガチャフィ地区は、高品質かつ個性的な味わいを育む産地として世界的な評価を受けています。
そのイルガチャフィ地区において、コーヒー輸出サプライヤーであるFALCON社(本拠地:英国)が、自社とパートナーシップを組むウォッシングステーションの中から、その年一番の良質なコーヒーを作ったウォッシングステーションとして選び抜いた豆を“チルフィート”と呼んでいます。
ナチュラル製法で丁寧に作られたコーヒー豆は、まるで柑橘やイチゴのようなフルーティなアロマが特徴です。浅煎り焙煎でフルーティな香りを最大限に引き立たせています。
まとめ
おいしいコーヒー豆を栽培するには、気温、降雨量、1日の寒暖差、日当たり、土壌などいくつもの条件がそろっている必要があります。コーヒー栽培に適した条件がそろっているエリアをコーヒーベルトと呼び、多くのコーヒー名産地が存在しています。コーヒー豆は各国でさまざまな特徴があり、香り、苦味、酸味、甘み、コク、などそれぞれの個性を楽しむことができます。
生産者に一粒一粒大切に育てられたコーヒー豆の本来のおいしさ・個性を“まるごと”届けたいという思いから誕生したカフェレート。
コーヒー豆の魅力を少しも取りこぼすことなく、厳選した豆の個性が楽しめる新たな「コーヒーを食べる」というスタイルをぜひ堪能してください。